心療内科

心療内科は 「ストレスにより生じた 心身症(心理的要因の影響を強く受けた身体の病気)について ストレスと病気の関係を探り、その治療と対策、予防など、 人間の心とからだについて総合的治療を行う科」 です。

 日本ではまだ歴史が浅く大学でも心療内科の教室があるのは九大、東大、日大、東邦など7大学、その他の病院でも聖路加、都立駒込などいくつかの病院でしか扱われていませんでした。1996年になってやっと標榜科目(診療科目として看板を掲げられる)として「心療内科」が認可され、個人の病院や医院でも心療内科に取り組むところが出てきています。心療内科学会も1996128日に発足し、これからが期待されます。
 
 <あつかう病気>
 私たち人間は、色々なことに悩み、そのために体の調子が悪くなったり、もともとある病気が直りにくくなったりします。 軽い場合 肩や首のこり、めまい、頭痛、食欲がない、眠れない、などひどくなると 胃の痛み、吐き気、腹痛、頑固な便秘、緊張時の下痢、動悸、息苦しさ、咽喉の違和感(飲み込みにくさ、つまったような感じ)、自律神経失調症、などまた、喘息、胃十二指腸潰瘍、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、甲状腺機能亢進症などの経過にも影響します。このように病的な状態になると、ふつうの治療ではなかなか良くならないことが多く、最近ではこのような「心身症」が増えています。 

 <精神科との違い> 
 認可されて以来、多くの医療機関が「心療内科」の看板を掲げるようになりました。しかし、「精神科・心療内科」と言うように今まで精神科を標榜してきた医師が追加して標榜しているケースも多く、両者の違いがよくわからないとの声も良く聞きます。本来の心療内科は内科の医師があくまでも内科医として、ストレスによって発症、慢性化難治化した内科疾患を取り扱い、その理解や治療のために心身医学的、心理学的知識や技法を応用するという立場をとります。重症のノイローゼ、統合失調症、そううつ病、人格や行動の障害などの精神疾患はやはり精神科医が得意とする病気であり、それぞれの専門とする範囲は異なっています。 

 <治療法> 
 ふつうの治療を受けてもなかなかよくならない、ストレスによって病気が悪化するなどの特徴をもつ心身症に対しては、内科治療に加えて、ストレスを軽くし体のリズムをととのえるための薬物療法、又、ストレスの原因となる環境、対人関係、個人の性格の問題、ストレスに対する強さなどを考えにいれた心身医学的治療法も行われます。 心理面へのアプローチが必要とされた場合は、公認心理師などこころの専門家との連携体制を組むこともあります。専門的心理療法としては、交流分析(人間関係や自分自身のあり方への気づきによるストレスの修正)、自律訓練法(リラクゼーションを通して心身の調整をはかる)、行動療法(行動を決めつけている原因を探り、正しいストレス対処法を身につける)、カウンセリングなどがあり、ケースによって適用されます。


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