風邪について

寒い日が続きますね。

そろそろ仕事納めの方もおられると思います。

1年の疲れがどっと出る頃…

空気も乾燥していて、風邪を引きやすい時期です。

風邪とは、医学用語では風邪症候群。「呼吸症状を伴う自然に治癒する感染症の疾患」と定義されています。

発熱、咳、鼻水・鼻詰まり、喉の痛みなどを引き起こすものの総称です。

原因はウイルス感染と細菌感染がありますが、その違いはご存知ですか?

病気を起こす小さな生き物のことを病原微生物といいます。

ウイルス、細菌、真菌、寄生虫など、様々な病原微生物がいますが、その種類によって治療薬は異なります。

抗菌薬(=抗生物質)とは、細菌を退治するための薬です。

一方、ウイルスは細菌とは全く構造が異なるため、抗菌薬は効きません。

ウイルスには無数の種類があり、さらに変異といって少しずつそのかたち(遺伝子)を変化させます。形が変わると薬が効かなくなってしまうことが多いため、ウイルスに対する特効薬を作ることが難しく、インフルエンザやHIVの薬など特効薬があるウイルスは例外といっていいでしょう。


ところで、風邪を引き起こす原因の8-9割はウイルスです。

そして先述した通り、ウイルスには特効薬がありません。

つまり、風邪は予防が1番大事!

予防のためには、手洗いうがい、免疫力を高めるような適度な運動、睡眠、栄養です。

そして、感染してしまったら、自分の自然治癒力を落とさないよう、栄養と睡眠、暖かくしてゆっくり休養をとること。

風邪でクリニックを受診された場合には、ゆっくり休養をとるために、症状を抑えるお薬(解熱鎮痛剤や、鼻水を少なくしたり、痰を出しやすくするお薬など)を処方することが多いです。

当院には、風邪の方に処方している院長直伝の風邪薬がありますが、内服すると元気になるとご好評頂いています。

が、「薬を飲んで頑張るのではなくて、ちゃんと休んで下さいね。」と患者さんに伝えています。

 薬を飲んで頑張ってしまっては、風邪を長引かせることになってしまいます。

風邪が長引くと、体が弱っているので細菌にも感染しやすくなり、二次感染で重症化してしまうなんてことも…。こじらせるということですね。


一般的に、ウイルスより細菌感染の方が重篤となる場合が多いです。

軽い風邪なら市販の風邪薬など対症療法で様子を見ても良いと思いますが、いつもと違う、3-4日休んでも良くならない、悪くなるという場合には、細菌感染がないかチェックするため、医療機関を受診することをお勧めします。

これから年末年始のお休みに入ります。

本年中は色々とご不便をおかけしたこともあるかと思いますが、今後も皆様に安心して通って頂けるよう精進してまいります。

年末年始、皆様が体調を崩されず、良いお年をお迎え頂けますようお祈りいたします。